小布施は、画狂北斎が晩年に長く逗留し、画業70年の集大成をはかった特別な町です。
80代半ば、郷土の豪商・高井鴻山の庇護のもと、東町・上町の二基の祭屋台および岩松院に、天井絵を描き遺しました。 当時の小布施は、交易都市として繁栄を誇り、北斎をはじめ当代の文人を惹き付ける魅力ある町でした。
北斎館は、これらの天井絵をおく祭屋台と、長く大切に受け継がれた北斎肉筆画をもって、昭和五十一(1976)年11月に開館しました。開館十五周年を期に、平成三(1991)年に大増築、今回、三十周年記念事業の一環として増改修を果たし、新たな装いをもって皆様をお迎えすることになりました。
この改修によって、画狂北斎「肉筆画の世界」を中心として、版本や版画など北斎の画業を幅広く、ご覧いただける美術館となりました。